平成29年の門前掲示


平成29年12月の門前掲示


「大人の事情ってだいたい子供みたいな理由でしょ?」


 「ぐでたま」というサンリオキャラクターの言葉です。「みんなのたぁ坊」もですけど、サンリオのキャラクターは、いつも核心をついた良いことを言いますね。
 私たちは「オトナ」の事情で行動しているような気持ちでいますが、よくよく分析してみると、それが子供じみた理由だったりするものです。
 よく考え、真の「大人」として正しい判断で行動したいものです。



平成29年11月の門前掲示


「仲間意識が仲間はずれを作り出す」


 お釈迦さまの最後の説法が記されているとされるお経「遺経(ゆいきょう)」の中に「遠離(おんり)」という言葉がでてきます。「群れるな」という教えです。
 世間という束縛・執着は、人々に諸々の苦悩を起こして逃れられなくなると説いています。
また「法句経」(ブッダの真理の言葉)に「旅に出て、もしも自分よりもすぐれた者か、または自分にひとしい者に出会わなかったら、むしろきっぱりと独りで行け。愚かな者を道伴れにしてはならぬ」とあります。

 明治大学文学部教授斎藤孝さんの著作に「そんな友達ならいなくたっていいじゃないか」という本があります。
 その中にこんな一節があります。

 例えば、友達の前ではまじめな自分を見せられない、ということはないだろうか?
「お前、何をマジになっているんだよ」
などといってがんばろうと思っていたキミの気持ちを引きづりおろすような仲間はいないだろうか?そのためにまじめにやっていることをかくさなきゃいけなかったりすることはないだろうか?
「あんなヤツ、まじめくさりやがって」と言って、まじめにやっている人を「なかまはずれにしよう」などと誘ってくるような仲間はいないだろうか?
これは、低いレベルの仲間意識によって生まれる、よくないことだ。ひきょうなことだ。(中略)
不安な気持ちを解決するために仲間になる、いわゆる「つるむ」という人間関係です。
...

「つるむ」関係は、友情じゃない、と斎藤孝さんはきっぱり言っています。


仲間の目を気にして、仲間はずれにされるのがイヤで、やるべきことをやらない、やらなくてもいいようなことをやる、
そんな経験はないでしょうか?
それは友情ではないです。「つるんでいる」だけのうすっぺらい人間関係です。

 おかしな仲間意識はやめて、よい仲間がいなければ、むしろきっぱりとひとりでいよう。



平成29年10月の門前掲示


「人の悪口を言うときは、それは自分に返ってくる」


  古代ローマの劇作家、プラウトゥスの言葉です。

 お釈迦さまの言葉にも「汚れのない人、清くて咎のない人をそこなう者がいるならば、そのわざわいはかえってその浅はかな人に至る。風に逆らって細かい塵を投げると、その人にもどってくるように」とあります。

 言葉や行動はブーメラン。良い言葉や行動も、悪い言葉や行動も、いつか本人のところに戻って来ます。

 またお釈迦さまの言葉に「まだ悪の報いが熟しないあいだは、悪人でも幸運に遇うことがある。しかし悪の報いが熟したときには、悪人はわざわいに遇う」「まだ善の報いが熟しないあいだは、善人でもわざわいに遇うことがある。しかし善の果報が熟したときには、善人は幸福に遇う」とあります。

 「その報いは私にはこないであろう」と善や悪を軽んじてはならない。善を積み、悪をなさぬようにこころがけましょう。



平成29年9月の門前掲示


「ほとけさまは いばらない」


 「アサヒビール中興の祖」とも言われる元アサヒビール社長、故樋口広太郎氏が、次のようにおっしゃっています。「地位の高い偉い人にたくさんお目にかかりましたが、共通しているのは威張らない点です。大きな人物ほど自分の力をいたずらにひけらかさないものなんですね。」
 お釈迦さまや、そのお弟子さま方も、大勢の信者さんから尊ばれていましたが、「威張った」という話は聞いたことがありません。
 大きい声を出して威張っても、誰もついてきません。常に謙虚に過ごしたいものです。



平成29年8月の門前掲示


「幸せとは、旅の仕方であって、行き先のことではない。」


小泉吉宏さんの著作「ブッタとシッタカブッタ」のなかに、こんな言葉があります。

「シッタカブッタ(登場人物の名前)は、幸福を探しに何年も歩いていたが、歩いても歩いても見つからなかった」
「シッタカブッタは休んで考えた」
「シッタカブッタは探すのをやめて歩くことを楽しみはじめた」
「幸福は歩くことそのものにあった」

 もうひとつ。15年ほど前に「僕の生きる道」というドラマが放送されました。その中にこんなセリフがありました。

「例えば、高校生活は、いい大学に入るためにあるとしましょう。
 大学はいい会社に入るため、会社に入ったら、係長になるために仕事をし、係長は課長になるため、出世はたくさんの退職金をもらうため、たくさんの退職金は、老後を豊かに過ごすため、こんな風に将来のために今を犠牲にして一生を過ごしたとしましょう。
 そうやって生きてきた道には、自分の足跡が何も残っていない気がするのです。
 つまり、将来を考えて生きることも大切ですけど、その時その時もしっかりと生きて欲しいのです。」

 私たちは、将来、幸せになるためにがんばりすぎちゃっている所があるように思います。もっと只今現在を大切にしていきたいな、と思いました。

 夏休みで旅行の機会も多いでしょう。車が渋滞したり電車が混雑していたり、イライラすることもあるかもしれませんが、渋滞を、混雑を楽しんでいくくらいの気持ちで旅行すると良いかもしれませんね。



平成29年7月の門前掲示


「自分を許すが如く人を許せ 人を責めるが如く自分を責めよ 」


 「自分を許すが如く人を許せ 人を責めるが如く自分を責めよ 」

 幕末の志士西郷隆盛さんの言葉です。
「己を尽くして人を咎めず。我が誠の足らざるを常にたずぬるべし。我を愛する心を以って人を愛せ。自己を許すが如く人を許せ。人を責めるが如く自己を責めよ。」
(自分で努力をして人を責めるな。自分に誠意があるかどうか常に探求せよ。自分を愛するように人を愛せ、自分を許すが如く他者を許せ、他者を責めるが如く自分を責めよ)

 努力せずに人に責任をおしつけたりするものではありません。
 また自分に厳しく、他人にやさしくありたいものです。)



平成29年6月の門前掲示


雨を感じられる人間もいるし、 ただ濡れるだけの奴らもいる


 曹洞宗の開祖、道元禅師の著書「正法眼蔵」に、「無情説法」の話が出てきます。「無情」の「情」とは心理作用をもたない植物・鉱物を意味します。つまり「無情説法」とは、植物や鉱物のような心理作用を持たないものも宇宙秩序を説いているという意味です。「無情」こそが宇宙の真理「無常」を説いているのです。

 今月の「雨を感じられる人間もいるし、 ただ濡れるだけの奴らもいる」は、レゲエミュージシャン、ボブ・マーリーの言葉です。そうです。雨で何かを感じることができる人もあれば、ただ濡れるだけの人もいる、という訳です。

 6月は梅雨で雨の多い日が続きますが、ただ濡れるだけでなく、雨の音、においなどを感じ過ごしたいものです。

 最後に、道元禅師のお詠みになった和歌「傘松道詠」より。
峰の色 谷の響も 皆ながら 吾が釋迦牟尼の 声と姿と (みねのいろ たにのひびきも みなながら わがしゃかむにの こえとすがたと)



平成29年5月の門前掲示


たまには休むのもひとつの仕事じゃない?


 小説・漫画・アニメにもなった作品、「ムーミン」の登場人物スナフキンのセリフです。
 私は子供の頃、アニメ「ムーミン」をよく見ていました。話の内容は忘れてしまいましたが、スナフキンが好きだったなぁという印象が強く残っています。何にも群れず常に冷静な判断をする姿が好きだったんだと思います。

  さて、今月の言葉は、そんなスナフキンのセリフ「たまには休むのもひとつの仕事じゃない?」です。
 実は先月末から体調を崩していました。先月は無理して仕事をしてしまった所があり、そのツケが回って来た形となりました。やっぱりたまには休まないとダメだなぁ、休むのも仕事だなぁって思いました。

 5月はゴールデンウィークもあり、休日の多い月ではありますが、その間家族サービスをしたりお仕事の方もあったでしょう。また休みはとっても「5月病」でなんとなく憂鬱な気持ちになる方もいらっしゃるでしょう。気持ちはリフレッシュできたけど疲れてしまったり、体は休めても心が休めなかったり、なかなか「休む」というのは難しいものです。

 「たまには休むのもひとつの仕事だ」と思って、たまには心と体を休めるようにしたいものです。



平成29年4月の門前掲示


「我が故郷(ふるさと)に誇りあれ」


 私の母校、静岡市立第七中学校の校歌からです。

 先日、息子の中学校の卒業式がありました。息子も私と同じ第七中学校でした。
 卒業式の最後に校歌斉唱がありました。一緒に歌いました。歌いながら「自分が中学生の頃は気がつかなかったけど、良い歌詞だったんだなぁ」と思い、今月の言葉とします。

 学校を卒業し、進学・就職などで地元を離れる方が多い事でしょう。是非、ご自分のふるさとに誇りを持ち続けて頂きたいと思います。また地元に住んでいる方々も、地元に誇りを持ち、地元を愛し、暮らして頂きたいと思います。



平成29年3月の門前掲示


「思い出は心の非常食」


 春です。進級・進学・就職・異動など、環境が大きく変わる時期がやってきます。

 今月の言葉は、「高橋の手帳大賞」の黛まどか賞となった作品です。
 以下は受賞者の「おだじまよしみ」さんの言葉です
 『大学の先輩の名言です。確かにこう考えるとその時辛くても、さみしくても「良いときもあったな」と少し冷静になって乗り切れます。良い思い出があればあるほどがんばれます。』

 来月には、進級、進学、就職、異動で、周囲の環境が変わり、辛かったりさみしかったりする事があるかもしれません。そんな時は、楽しかったことを思い出しましょう。
 また、進級・卒業・異動の前にたくさんの思い出を作っておきましょう。

 また、死を通して永遠の別れを経験することもあります。その時もきっと今までの思い出がきっとあなたの非常食になることでしょう。




平成29年2月の門前掲示


「寒さにふるえた者ほど太陽を暖かく感じる」


  アメリカの詩人、ホイットマンの言葉とされていますが、正確な出典は不明です。(出典とされる本にこの言葉がないそうです)

 寒い日が続きますね。一方で、だからこそ太陽の暖かさ、暖かさのありがたさを感じることができるのだと思います。

 つらい経験、苦しい経験、悲しい経験、ありますよね。
 でもそのような経験こそが、あなた自身を深め、人の優しさに気づき、人に優しくする事ができるようになるのだと思います。



平成29年1月の門前掲示


「やってみよう」


 AUのCMからです。

 新年です。何か新しい事に挑戦してみましょう!


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