平成22年の門前掲示板


平成22年12月の門前掲示

人を信じるということは 相手への期待ではなく 自分への決意なのです

 ツイッターに出てきた名言です。
 出所を探しましたが、わかりませんでした。
 ご存じの方、教えて下さい。

 よく考えてみるとそうだよねぇ。人を信じるのって、自分への決意だよね。


平成22年11月の門前掲示

大凡(おおよそ)因果の道理 歴然(れきねん)として私なし

 曹洞宗の経典「修証義」からの引用です。
 
 原因には必ず結果があるという因果の道理は明白であり、公平であり私曲をゆるさない、ということです。
 悪いことをして、その場では、うまくごまかせた、うまく言い逃れができたとしても、必ずその報いは自分に返ってきます。
 善い行いを人知れず行っていても、必ず結果が自分に返ってくるはずです。

 そのことをよく心に銘じておきましょう。



平成22年10月の門前掲示

己に随ひ行くは、只是れ 善悪業等のみなり

 曹洞宗の経典「修証義」からの引用です。
 「修証義」には
 「無常忽ちに到るときは 国王大臣 親ジツ従僕妻子珍宝 たすくる無し 唯独り黄泉に趣くのみなり 己に随ひ行くは、只是れ 善悪業等のみなり 」とあります。
※「ジツ」は、目偏に匿
 
 死が訪れた時には、国王大臣が来てくれても、睦み合った家族も、地位財産も、何の助けにもならないし、また、あの世に持って行くことはできない。
 ただ一人であの世に旅立つのみである。
 その時、己につき従うものは、名誉でも財産でもなく、ただただ自分自身のつくりなしてきた、善行・悪行のみである、
 ということです。

 あの世に行く時は、すっぽんぽんの真っ裸です。あなたは、この世でしてきた善行・悪行、それだけしかあの世には持って行けません。
 そのことを、みなさんは心に銘じ、精進していただきたいものです。



平成22年9月の門前掲示

見えんけど、おる

 NHKの連続テレビ小説、今年の4月から、「ゲゲゲの鬼太郎」の作者、水木しげる氏の奥様の自伝的小説「ゲゲゲの女房」を放送しています。
 この中で、何度も「見えんけど、おる」というセリフを、様々な登場人物が口にします。
 「見えんけど、おる」というのは、見えないけど、いる、ということです。

 今の世の中、目に見えるものしか信じられなくなりがちですが、やっぱり、見えないけど、目には見えない不思議な力にじゃまをされたり、支えられたりしているような経験を誰もがしているのではないのでしょうか?
 「神さま」や「ご先祖さま」は、目には見えないけど、必ず見ていて、困った時には手伝ってくれるし、人を困らせるような事や、危ないことをしようとしている時には、わざとじゃまをしたりしているのだと思います。



平成22年8月の門前掲示

人生をあきらめることなく、必要以上に力むことなく生活しよう

 曹洞宗の「修証義」というお経の中に、「但生死即ち涅槃と心得て 生死として厭ふべきもなく 涅槃として欣ふべきもなし」とあります。
 「今のこの一日一日を大切に勤め、人生を諦めることなく、必要以上に力むこともなく 生活しよう。」といった意味です。

 失敗したからといって、簡単に投げ出してはだめです。また、一生懸命がんばりすぎてもだめです。一日一日を大切にすごしましょう。


平成22年7月の門前掲示

人として生まれ、仏の教えに出会えた この因縁 ありがたや

 曹洞宗には「修証義」というお経があります。檀信徒向けの布教を目的に、明治時代に作成されたものです。
 
 このお経の中に
 「人身得ること難し 仏法値ふこと希なり 今我等 (中略) 受け難き人身を 受けたるのみに非ず 遇ひ難き仏法に値ひ奉れり」
 という言葉が出てきます。

 地球上には、無数の生物と、55億の人類がいますが、数ある生物の中で、人間として生まれ、数多き宗教の中で、仏の教えに会い、お経を手にし読むことができ、成仏の因縁を結ぶことができた、というのは、実にまれなことなのです。
 有難いことです。
 この優れた因縁のありがたさを、よくよく感じ取り、この今の人生を、よくよく反省しつつ、毎日の生活をととめるべきだと思います。



平成22年6月の門前掲示

霧の中を行けば 覚えざるに 衣しめる

 正法眼蔵随聞記 巻五−三 に出てきます。
 霧の中を歩くと、知らないうちに着物がしっとりする」ということです。すぐれた人と一緒にいると、気がつかないうちに自分もすぐれた人になる、ということです。
 すぐれた人の近くにいるだけで、自然とそれが身に付いてくるのです。

 逆に、悪い考えの人と一緒にいると、悪い考えが染みついちゃうから気をつけよう。「朱に交われば赤くなる」です。



平成22年5月の門前掲示

過ぎたるは 猶及ばざるがごとし  何事もほどほどに。

 私は、3年ほど前から、心の病にかかってしまって、現在も治療中ですが、先日、友人から、「過ぎたるは 猶及ばざるがごとし」だよ。やりすぎはよくない。ほどほどがいいんだよ。と声をかけてもらい、気持ちが楽になりました。

 「過ぎたるは 猶及ばざるがごとし」とは、程度を超えたゆきすぎは、不足していることと同じように、よくないことである、と言う意味。ゆきすぎと不足が同じなら、不足でいいじゃん。
 何事も、無理をせず、ほどほどがいいようですね。


平成22年4月の門前掲示

優しい言葉 きれいな言葉で 話そう

 娘が今年から小学生になりました。息子と娘が通う小学校では、「生活目標」というものを掲げており、その中の「生徒指導合言葉」が、「優しい言葉 きれいな言葉で話そう」でした。

 曹洞宗の教えの中に「愛語」というものがあります。「愛語」とは、相手を思いやる優しい言葉の事です。修証義というお経の中に、「愛語廻天の力あることを 学すべきなり」とあります。優しい言葉は、天地をひっくり返すほどの力がある、という事です。

 やさしい言葉、きれいな言葉で話しましょう。



平成22年3月の門前掲示

己の心を観よ そこに答えが あるはずだ

 今年のNHK大河ドラマは、坂本龍馬です。
 そのドラマの中で、吉田松陰が、坂本龍馬に言ったセリフです。

 黒船を見た龍馬は、剣ではアメリカには太刀打ちできないと感じ、道場を飛び出したときに、小舟で黒船に乗り込もうとする吉田松陰を見て、「私も連れて行ってください」という。
 そんな龍馬を見て、吉田松陰は「おまえは何者だ?何のためにこの天の下にいる? 考えるな! 己の心を見よ そこに答えがあるはずだ」と一喝。
 また、「黒船に乗るのは僕のやるべきことであって、君のやるべきことではない」とも言っていた。

 なるほどなぁ、確かに、人間ひとりひとり、やるべきことが違うのかもしれない。
 かといって、思いつきで行動してはいけない。静かに、自分が何をすべきなのか、自分の心を見ることが大切なんだなぁ、と思いました。



平成22年2月の門前掲示

諸行は壊法である

 2月15日は、お釈迦さまのご命日です。
 
 お釈迦さまは、お亡くなりになる直前に、すべての弟子たちに、「修行者たちよ、諸行(しょぎょう=もろもろの現象)は、壊法(えほう=滅びゆくもの)である。怠ることなく努めよ」とおっしゃったと言われています。

 人間も、「諸行」です。医学が進歩していますが、未だに人間の死亡率は100%のままです。普段は忘れてしまっていますが、忘れてはいけません。



平成22年1月の門前掲示

おかげさま 多くの力に 支えられ

 「おかげさま」というのは、「かげ」に、「お」と「さま」がついている言葉です。
 「かげ」というのは、ご先祖さま、神さま、仏さまといった「見えない力」の事でしょう。

 本当に「見えない力」があるんだと信じて「おかげさま」という言葉を使っている方は少ないかもしれません。
 「見えない力」は、科学的には証明されていません。
 でもね、「見えない力の力学」は、本当にあるような気がします。

 毎日、目に見えない大きな不思議な力で守られている、そんなことを意識しながら生活してみると、自然と心から「おかげさま」という言葉が湧いてくるような気がします。

 私も大きな力に支えられて、なんとかやってきました。「おかげさま」に感謝。




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